成功のセオリー(1)行列のできるお店は作らない(イノベータ理論を紐解く)

商品やサービスを提供するお店は「生業(なりわい)業」で、人と同じ様に寿命があります。マーケティングを勉強された方はご存知かと思いますが、イノベータ理論をご存知でしょうか。
このコラムでは「事業」を皆様がこれから生涯をかける仕事。「商品やサービス」はその事業がもたらす物として説明しています。

イノベータ理論では事業、商品やサービスの生涯を6つの時期に分けていますが、ここの説明では人生に例えて、4つの時期にしました。

どのような事業、商品やサービスでも、誕生、成長、壮年期、老いがあります。商品やサービスには寿命があるので、長期に事業を続けるのであれば、新しい商品やサービスを継続的に生み出し、老いの時期になった商品やサービスを入れ換えていく必要があります。

「成長の早い商品やサービスは老いも早い」とイノベータ理論では説いています。
潮が引くようにお客様がいなくなり、拡大投資をしたツケや在庫を抱えることになります。
今まで多くの行列のできるお店、在庫を抱えて倒産の憂き目を経験したヒット商品などなど、皆様が知っている例えも多いかと存じます。最近ではタピオカブームなどもありました。他にもお店名を上げることができませんが、大手のチェーン店も失敗をしています。

行列のできるお店が廃れる要因の中には、待っている間にお客様の期待値が勝手に上がってしまうことがあります。結果、商品やサービスが優れていても、これならば他にもあるなどと評価を下げてしまいます。行列のできるお店が「ぐるなび」で評価が低いのも頷けます。

人生の成長期の時間はほぼ皆同じです。しかし、商品やサービスの成長期の長短は皆様の心がけ次第です。
小さな失敗でも改良できる時間の余裕があるように成長を緩やかにする。最初は資金繰りに苦労しても、コツコツ積み上げる商売を目指してください。
満塁ホームランではなく、ヒットを重ねて点を積み重ねていく感じです。

コロナ禍の中で多くの事業者が苦労しているかと存じますが、コロナ禍がなくとも世の中は確実に変わっていきます。ピンチはチャンスと言います。
同じ商品やサービスの壮年期から、いや、成長期のときから、次の稼ぎとなる商品やサービスを考えていかなければ、皆様の事業は確実に「老い」が来ます。
成長が緩やかであるということは老いも緩やかです。時間が助けてくれます。新しい商品やサービスをじっくり作り上げることが事業を続けていく基本となります。

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